建設現場だけが働き場所ではない。 実は工事の事前に組み立てたり加工したりは別の場所で、『下小屋』と呼ばれる工場(こうば)がある。 慣れ切ったこの場所は職人のいわばホームグラウンド。何がどこにあるのかわかっていて、隅の隅まで長年の経験が生かされている。 自分専用の下部屋があると一人前とも言われる。 他人が見ることはないので職人達は伸び伸びと作業をしているようだ。手早く慎重に。最高の技を惜しげも無く展開する。気を抜くのは昼飯時と工場長の『少し休憩〜』のリラックスタイム。 なごやかなのはこの一瞬。ここで生まれる物や技術はいずれ伝統となり、時と共に誰かに受け継がれてゆくのだ。